長浜城主となった秀吉は、ある日、領内で鷹狩をしていた。
その帰途、喉の乾きを覚えて、ある寺に立ち寄って茶を所望した。
「茶を1杯いただきたい」
対応した寺の小姓は、
まず最初に大ぶりの茶碗にぬるめの茶を一杯に入れて出した。
「どうぞ」
喉の乾いていた秀吉は、それを一気に飲み干したあと、もう一杯たのんだ。
「もう1杯いただきたい」
次に小姓は、やや小さめの碗に、やや熱めにした茶をだした。
「どうぞ」
(さっきより、少し熱く美味しい。)
秀吉が試みにもう一杯所望したところ、今度は小ぶりの碗に熱く点てた茶を出した。
(おお、こんな熱い茶を飲みたいと思ってた所だ)
相手の様子を見て、その欲するものを出す、
この心働きに感じいった秀吉は、その小姓を城に連れて帰り家来とした。
この小姓が、その後、関が原の合戦の立役者、石田三成となったのである。
※ざっくり解説
まず、喉が渇いてる状態なので、多量のぬるめのお茶の方が、
飲みやすく、渇きが癒える。
次に、すでに、多少渇きが癒えているので、
多少熱くした茶の方が、美味しく感じる。
最後に、ほぼ渇きが癒えた状態なので、
熱いお茶をゆっくり飲みたくなる。
3段階に分けて、
相手の状態に合わせた絶妙なサービスを少年の光成がしたいう逸話。
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