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黒田長政の家臣であった母里太兵衛は、
長政の名代として、福島正則に招かれた。
「太兵衛殿、よう参られた。ささ、まずは一献。」
酒宴の席で、正則は太兵衛に酒を勧める。
主君の長政に、禁酒を命じられており
「不調法でいただけません」
と断る。
されど、正則は、呑め呑めの一点張り。
とうとう、
「この大盃で見事に呑みほしたら、お前の望みのものをやる」
と強要する。
(これ以上断って、正則様と争いになっては……)
と太兵衛は決心し、
大盃になみなみとつがれた酒を一気に呑みほす
※径30センチぐらい。酒5、6合を3杯
見事、大杯を飲み干した太兵衛は、
「日本号をいただきたい」
※名槍日本号は、刃長二尺六寸二分五厘、無名の作ながら、
刃元に剣巻龍の豪快な彫をみせた長槍で、
はじめは後陽成天皇より賜った豊臣秀吉の秘蔵する
無二の宝で、秀吉が日本号と命名。
小田原の北条討伐、福島正則が見事な武功を挙げた
正則に褒美として与えた。
「ううむ、よかろう。武士に二言は無い。」
まさか日本号を所望されるとは思わなかった正則だが、
しぶしぶ了承した。
まさか日本号を所望されるとは思わなかった正則だが、
しぶしぶ了承した。
かくして、名槍日本号は、太兵衛の物となり、
日本号は別名 呑取り槍と異名を持つことになる。
日本号は別名 呑取り槍と異名を持つことになる。
『黒田家臣伝』の一節
「伏見にて左衛門大夫(福島正則)より……是の大盃にて酒をのまば何にても其方望みの物を引出物にせんと申しかば太兵衛内々かの大身の鑓(やリ)を望みに思ひければよき折節と思ひ其の座上にかかりて有けるを見やりて、あの鑓を賜はらば此の大盃にてのみ申さんといふ。左衛門大夫酒に酔ってかの鑓の秘蔵成し事を忘れ、しからば此の鑓を与ふべし。其の大盃にてのみ候へと云はれしかば太兵衛其の大盃にて酒を受けのんで彼の鑓を取って帰りける云々」(『益軒全集巻五』)。
さて、イラストを再度、見てみよう
この逸話をモチーフにしているのが分かります。
大杯を片手に、名槍日本号も描かれています。
こういった逸話も交えて、イラスト鑑賞すると、
なかなか楽しいですよΣd(≧ω≦*)
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